食堂の主人の席から眺めた岩根絞り。

　主人は余りの花の大きさと枝の細さに可哀想だと何時も晩酌のビールを少し残して根本に注いでおりました。

　ゴミ捨てでばったり出会ったお向かいの奥さま

「お台所でお料理をしておりますと、お宅の赤い花が目に入り見とれます」

と

　わたし

「お茶の先生の岩根絞りを挿し木したのです、梅雨時になりましたら差し上げます、挿し木してみて下さい」

　とっても庭の手入れの上手な方なのです。

　我が家の岩根絞りの横の笹を飛び越したところに酔芙蓉の一重が植えてあります。

　その花も気に入って下さって、数年前にお向かいさんへお嫁入り。

　その後挿し木して増え沢山のご近所さんのお庭で咲いているらしいです。